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遠巻きに見られる
数人の女子小学生達と楽しく雑談していたとき、遠くから僕を見ている影に気が付いた。
──またあの子だ。
真っ青なストレートの髪をさらさらと揺らし、小学生には似つかわしくない憂慮の色を浮かべた瞳でこちらを見つめる女の子。
あまり公言はしないが、僕は小さい女の子が大好きだ。
無邪気な笑顔を惜しげもなく向けてきて、既に成人している僕をお兄さんと呼んでくれる。この愛らしさが堪らないので、ごく一部から向けられる冷たい視線も無視して女の子達に話しかける。
「おにーさんはすきな食べ物なにー?」
「そうだなぁ、強いて言うなら甘いものだね。お菓子とかケーキとか他にもたくさん、君も好き?」
「私も好きー! すいーつおいしいもんねー!」
──できることなら幼女を食べたい。
なんて思っても絶対に言わないが。
向こうのあの子ともこんな風に話してみたい。正直、あの臆病そうな佇まいや儚げな雰囲気がかなり好みである。
だからタイミングを見計らって何度も話しかけようと試みた。それなのにどうも上手くいかない。
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