山の日

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「おいで。」 薄着なのにもたもたと、やっと全部脱いだところで、手招きをされる。 そのまま優しく誘われて、ふわりと口付けをされたかと思えば、意地悪な声が耳元を掠める。 「やり方、分かる?」 りくちゃんはそーゆーとこ、ほんとずるい。 そういえば、僕がムキになるって知ってるから。 「分かるよ!いつもりくちゃんにやってもらってまーすーしー、  僕だって知らないわけじゃないもん!」 ほらね、こうやって容易に思惑通りの反応をさせられる。 その様子に満足げに笑って、 「でもするの初めてだろー?」と言われる。 「そうだけど!なに!?」 スーツ姿の人の足元に全裸で座らされているだけでも恥ずかしいのに、さらに屈辱的なことばかり言われて身体よりも顔が熱くなってくる。 「ばーか。嬉しいんだよ。うみの初めてもらえて。」 そう言って屈託のない笑顔で笑われると、心臓がきゅんきゅんして煩い。 そんな音と熱くなった顔を隠すように、りくちゃんの足の間に顔を埋める。 できるって言ったものの、やってもらうのとやるのは全然違う。 どうすればいいか分からずに困惑したまま軽く咥えて、裏っ側をちろちろと舐めてみる。 たまにちゅって吸ってみたりするんだけど、りくちゃんからは甘い声や吐息が漏れることはなく、ずっと僕の頭を撫でながら「可愛い可愛い」と連呼している。 「もうっ、そうじゃなくて!ど、どーすれば、いいの?」 耐えきれなくなって聞くと、優しく撫でていた手に少しだけ力が入る。 「じゃあ、ゆっくりでいいから奥まで咥えられる?」 苦しくなったら離していいから、と言う優しい言葉とは裏腹に、目はギラギラと欲望で渦巻いていた。 「んっ、ふぅ、 ...........ぅげぇ。」 やっぱりよく分からずに、ただ入るところまで入れて、たまにえずいて、苦しくなったら引いて、息を吸って、また入れる。 そんなことを繰り返しているだけだから、当然気持ちいいはずもないけど相変わらずにこにこ笑いながら「気持ちいよ」って頭を撫でてくれた。 Fin.
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