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未来は続くよ何処までも
部屋に居る猫はペットじゃ無い。家族とも違う。周囲にはいつも、『同居猫』と言って話す。
保護した当初は雄と信じ込んでいたが雌だった。初めて見た時、不細工と言うより不気味と感じた。次に不気味じゃ無くてチグハグなのだと気が付いた。終には、チグハグじゃ無くて継ぎ接ぎなのだと思い当たった。実家に居る『本当の相棒猫』と、その前に居た『最愛の猫』が入り乱れた特徴を具えていたからだ。その入り乱れ具合が、本当に残念な程に似合わない猫。その似合わなさが、不気味さとして感じられた。チグハグとして感じられた。
当時、他に引き取り手がいれば喜んで渡すと言っていた。1つの命を守る大変さは、嫌と言うほど知っている。だから名前はまだ付けない。そう言いながら、引き取り手の出そうに無い残念な外見の猫と一月を過ごした。諦めと安堵の中で、名前を考え始めたがサッパリ浮かばなかった。実家の相棒猫に至っては、写真を見た瞬間に名前が浮かんだと言うのに。結局、更に一月かかって、彼(と当時は思っていた)のその外見のイメージと癖から名前が決まった。この名前は、まだ誰にも教えていない。
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