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南の瞳の中に己の姿が映し出される。 平々凡々な姿の体に纏われた不釣り合いなフリルのエプロン。 ジッと見つめてくる瞳の奥に映る己の姿に羞恥を覚え見る見るうちに頬が熱くなる。 すぐ側に控える第三者の存在など忘れ、泉は一気に空間が濃密な色となった気がした。 「.....」 しかし相変わらず驚いたように目を見開き、視線を泉に固定させたまま動かない南に泉は少しばかり心配になった。 「わっ..悪りぃ...やっぱ...」 やはり己のような凹凸も柔らかさも無い男が裸エプロンをしたところで見苦しいだけだったのだ。 『俺、泉の裸エプロン見たいっ! 』と言う年上恋人の言葉を鵜呑みにして実践してしまった己の浅はかさに泣きたくなる。 これ以上こんな格好を見せてはいけないと思い泉が己の腕二本で体を隠した瞬間ソレは聞こえてきた。 「か...かわい..い..」 「.....へ? 」 目の前の存在から聞こえてきたにもかかわらず、泉は何を言っているのか理解できなかった為に少しばかり間抜けな声が出る。 「うはっ!待って..もしかしてー...コレって..えぷろん? ...裸えぷろん.? だよね? ...ハッ...いじゅみ...なに..かくしてんのぉ...」 南はそう言うとエプロンを隠していた泉の腕二本を掴みご開帳とばかりに開いた。 隠していた腕が南の手により外され素肌にフリルエプロンが露わとなる。 マジマジと眺められ泉の顔が真っ赤となり助けを求めるように恋人の名を呼ぶ。 「...み..みなみぃ」 「ハアハア...い...いじゅみが..てんしすぎてヤバイ...」 興奮してくれているのか鼻息荒く、近づいてくる南の口元からは強いアルコールの匂いがする。 南の反応が良くなり途端に泉は安心した。 安堵からか近づいてきた南のまるで己も酔いそうなほどの匂いに泉の頭がぼんやりとする。 やがて近づいてきた唇に吸い寄せられるように泉も近づこうとした時その声は聞こえた。 「あー、俺の存在忘れてないか? 」
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