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突如聞こえてきた声にピタリと泉の動きが止まる。 しかし、止まったのは泉だけで南は気にすることもなく唇を近づけ泉の唇に乗せてきた。 「ふっ...ンっ...ダメっ..ンン」 「ンン...い..じゅ...」 久しぶりの南のキスは気持ち良くて何もかも忘れたくなるが思い留まる。 先程聞こえてきた声を思い出し、吸い付いてくる南の唇から離れようと南の胸を押した。 「んぷっ...まっ...待って..みっ..南っ! 」 体を思いっきり押し、漸く唇が離れた為に南の名を呼んだ泉。 すると南はそれに答えるように赤い顔に笑みを浮かべながら「ん? 」と首を傾げた。 「かっ...会社の人! ほらっ、あの会社の人が南を送って...」 南の後ろに視線を向ければ南もトロンとしたまま顔を向けた。 「......」 「よお、この酔っ払い野郎」 寝室とリビングを繋ぐ扉を塞ぐように立つ男。 「ん? あれぇ? か.ちょお? 」 漸く認識したのか舌ったらずな口で南が問いかける。 「ほえ? ...なに? ..なんで..」 「み..南を送ってきてくれたんだよ...ってか課長? ...」 南の言葉に男が恋人の上司である事を知り途端に青ざめる。 「馬鹿っ、南離れろっ! ...あのっ..送ってもらってありがとうございます」 上司の前でこんな痴態を見せてしまっては『南の心象が悪くなる! 』と今頃焦ってしまった。 「...いじゅみ? 」 「だから、課長さんだって...」 記憶が混乱しているのか不思議そうにする南に泉が説明すれば南は泉と男を交互に見て泉に視線を落とす。 「ハッ! いじゅみっ! なんでかちょぉにはだかえぷろんみせてんのっ! 」
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