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「性的嗜好って不躾なっ! しかも人の事をそんなジロジロ見て失礼でしょう! 」 勝手に南の性的嗜好を悪く言われ更に頭に血がのぼれば男の視線を感じながらも文句を言う。 視線を上下させながら泉の全身を見終えた男が一つ溜息を零した。 「はあ...いい大人がそんな格好してて文句言えないだろ...」 『そんな格好』 その言葉に漸く己の裸エプロンを思い出した泉の顔がみるみるうちに青くなる。 「あああああああっ」 途端恐ろしいほどの羞恥心が湧き上がり居ても立っても居られなくなるとその場から去ろうと回れ右をする。 結果、男に尻丸出しの格好となってしまった泉。 「いや...あの泉チャン? ...尻丸出しだし...それに南はどうするんだ? 」 「っ! 」 呆れたようにいう男に泉はハッとするともう一度向き直り勢いよく歩きだした。 南を抱く男の前まで辿り着けば、明確な敵意を持った瞳で相手に負けぬよう見上げた。 「......」 見上げた。 「...はは...泉チャン、小さいね」 男が見下ろしながら嗤う。 決して泉が小柄な訳では無い。 平均的な身長であり体型だって悪く無いのだ。 しかし目の前の年上恋人である南は泉よりも遥かに高くモデルのような体型をしており、その南を抱える男もまた支えるに見合った体の持ち主であった。 「くっ.....」 悔しいが事実なので言い返せない泉。 苦虫を噛み潰したような顔で見つめていれば男は更に泉を馬鹿にするように嗤いながら口を開いた。 「つうか泉チャン、そんなにちっさいのに南を抱えれないでしょ? 俺がベッドまで運んでやるよ? 寝室ってあのドア? 」 どこか愉しそうに言うと男は南を抱えたまま泉を腕で制して寝室を目指した。
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