花が好きな君だから

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 そして、僕の望みの物は出来上がった。  二十五歳。僕はこの為に生きてきた。  それは新しい栄養剤だった。  アンプル一本で、既存の栄養剤の効果に加え、花字体の体力と、成長の安定性が増し、寿命が延び、水持ちも良くなる。そして、花が安定してより綺麗になる。  花の性能をほとんど引き上げ、花の廃棄を限りなく減らすことが出来る、一種の万能薬だ。  使える花の種類も多く、基本的な花ならほとんどの花に使うことが出来る。僕はこれの特許を取り、花屋に売り込みに行くことにした。  その花屋は花を一から育てて売っているらしい。従業員も花が好きな人しかいなく、特に若い店長は異常なほど花が好きと噂だった。  育成も販売も評判が良く、職人と称えられるほどらしい。  受付の従業員が僕の電話に出て、僕の説明を聞く。店員は判断が出来ないから、半信明日店長と会って話をして欲しいと頼まれた。  僕は了承し、急いで美容院に行った。  当日になり、僕は持ち物を確認する。  アンプルと資料を入れたアタッシュケース。衣装はいつものよりも上等な、今回の為だけにわざわざ購入したスーツ。  そして、一本のレンテンローズを持って、僕は彼女に会いに行った。
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