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聖暦1585年。
北ウィトルスリア地方・フィレニック公国の継承権を巡るエルドラニアとフランクル王国の戦争の場で、遺跡探検の旅から戻り、家を継いで騎士となったドン・ハーソン・デ・テッサリオは、遺跡で得た魔法剣「フラガラッハ」により、竜騎兵(火器装備の兵)が戦場の主役となる中でも目覚ましい活躍を見せていた(この戦功により、後に聖騎士への叙任、白金の羊角騎士団長への就任へと繋がる)。
一方、上官の命令を無視し、昔ながらの騎馬による竜騎兵への突撃で、敗北を喫する古風な甲冑姿の騎士をハーソンは見かける。それが、古き良き騎士道文化を愛し、剣の腕では並ぶべき者なしと称されるラマーニャ領の騎士ドン・キホルテス・アルフォンソ・デ・ラマーニャであった。
戦争終結後、エルドラニア軍は勝利したものの、度重なる命令無視と味方を危険にさらした罪により、騎士の身分と領地を没収されてしまうドン・キホルテス。
いかに武芸に秀でているからといえ、近代的な戦術に馴染めない彼を、上は無用の長物と考えたのだ。
失意の内、仕事と住まいを失った代わりに自由な時間を得た彼は、従者のサウロ・ポンサを連れて、騎士道物語よろしく武者修行の旅へと出る。
また、それは火器中心となった戦場でも後れをとることなく、騎士らしく戦えるハーソンの「フラガラッハ」のような魔法剣を求めての旅でもあった(※「フラガラッハ」のような古代の遺産である魔法剣は、この時代、すでにロストテクノロジーとなっている魔術で造られたものであり、新たに生み出すことは現状不可能。そのため、ハーソンのように古代の遺跡から発掘するしか今のところ手に入れる術はない)。
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