パンセ

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パンセ

明日、目を覚ます事は無いかもしれない。 本気でそう思った時、ただ涙が溢れた。ほんの僅かな懺悔と激しい恥辱の念。諦めと恍惚と恐怖と歓喜と、言葉では言い尽くせないありとあらゆる感情の坩堝。今振り返れば、それらは全てからの解放を求める意識によって生み出されていた様にも思う。肌に感じる日の光に意識を取り戻した時、『自分』を認識した時に一番強く感じたのが、歓喜でも無く安堵でも無く落胆だったからだ。 その日、魄からの逃亡と言う魂の願いは成就しなかった。
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