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「ありがとな。あれでわかるなんてさすがだな相棒!」
「どうせ放っといたら今から大人達の所に忍び込むんだろ」
「お見通しだな!ははっ」
ヴァスティは噂話が大好きでいつも耳が早い。
都合の悪い話だけはなぜかすっかり忘れてしまうところがあるが村で起きたことは何でも知っていると言ってもいい。面白そうな噂があればヴァスティが聞き逃すことはまずない。
しかし今晩のあの父親の様子を見るにヴァスティを一人で出歩かせるのは得策ではないとゲリトは考えていた。
身内故にわかることではあるがそれほどまでに先ほどの父親には緊張感が漲っていたのだ。
「…今日の夕飯はミートパイなんだ。好きな物は落ち着いて食べたいんだよ。お前の心配しながらなんてごめんだ」
「本当か!やったぜ!お前の母ちゃんのミートパイいつも旨いよな!!」
ゲリトなりに少し嫌みを言ったつもりだったが通じていないのかヴァスティはあっけらかんと喜びゲリトを置いてミートパイめがけて走っていった。
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