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自分でもあんまり恥ずかしくて、この話は本当はあまりしたくはございませんけれど、私は二年生の夏休みに、級友何人かと四条大丸のお中元セールのアルバイトに行ったことがございます、一日だけ。正確には五時間。
このころは中島小百合も私も色々とほかに気をとられることが多くて、バスケット熱も覚めかけておりましたから、二人とも天の橋立の夏季合宿は参加せず、私は学生ホールの張り紙を見て、「一夏働いたら、ゆりちゃんで見つけたあのハンドバッグが買えるな」とタヌキの胸算用で大丸さんへ参りました。中島小百合は府庁の観光ガイドのアルバイトで一夏を立派に働きとおして、ちゃっかりと卒業後の就職口まで決めてまいりましたのに、私は第一日目に、立ち詰めでタオルを箱詰めにする作業に足がしびれて、ついと持ち場を離れるなり勝手に抜け出して、歩いて家へ帰りました。父に平手打ち。兄にも母にも「責任感がなさすぎる」「人の道にはずれる」とどえらく叱られ、優しい義姉にさえも「由美子さんて、そんな根性なしやとは思わへんかったわ」と柔らかい言葉で冷たく罵られて、私はしょげ返りました。
母はすぐタオル売り場へお詫びに参上してくれましたけれど、忙殺されていた主任は私の脱走もご存知なくて、
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