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これは俺が小学生の頃の話です。
近所に、鈴ばあさんと呼ばれる変わったおばあさんがいました。
いつも鈴がいっぱいついたバッグを持ち、散歩しながら子供に話しかけるのです。
ただ、その話す内容がとにかく意味不明なんですよ。
「お前はいつかにわとりになってな。くるくるまわって死んじゃうんだよ?」
「ここの川は赤いんだ。赤くて臭くて、おいしいんだ」
みたいな感じで。
そんなおばあさんだから、みんな不気味に思って近寄ろうとはしませんでしたし、話しかけられても逃げてしまう子が多かったようです。
ただ俺は、あまり気が強い方ではなかったので、話しかけられたら怯えながらも返事をして、適当に相槌を打っていました。
そんな俺を、鈴ばあさんは気に入ってしまったようなのです。
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