鈴ばあさん

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「来ないのかい」 鈴ばあさんが、俺に向かって感情の灯らない声で言います。 俺が黙っていると、鈴ばあさんはくっくっくと押し殺したような笑い声をあげました。 「どうせ30年したらまた会える。みんな来る」 そう言って、チリン。と鈴の音がひときわ高く響きます。 その瞬間に、鈴ばあさんの気配は忽然と消え去ったのです。
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