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「そして最後に、先ほど突如現れた男。私の幼き頃からの真の友であり右腕であるセルゲイ・ロストフスキー大尉です。」
ユスーポフ候は親しみを込めセルゲイを紹介した。
「お目にかかれて大変光栄です、アナスタシア様。私は貴方様と同じ瞬間移動。飛ぶ能力を持っております。貴方様を手となり足となり全力でお守り致します。」
セルゲイはアナスタシアに同じ能力を持つ、嬉しさと尊敬の眼差しを向けた。
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こんなに近くに、多くの能力を持った者達。そして自分を信じ共に行動しようとしている仲間がいる事に、アナスタシアは心が熱くなるのを覚えた。
しかしまだ年端もいかない自分に一体何ができるのか?不安を隠しきれないアナスタシアがそこにいた。
その姿を見ながらユスーポフ候は話し始めた。
「アナスタシア様。今の現状では身動きが取れる状況ではないのです。革命軍ボリシェビキも人数が揃っていなく武器も不足しています。来年2月、来年の2月に運命の日が訪れます。その時まで今しばらくお待ち下さい。」
「来年の2月に何が起こるのですか?運命の日とはもしや・・・・ロマノフ王朝が崩壊するのですかっ!?」
アナスタシアは差し迫っている未来に恐怖を覚えた。
ユスーポフ候は悲しい顔でアナスタシアを見つめながら
「先だっては、ニコライ皇帝を陰で操っている怪僧ラスプーチンを倒す事に力を入れましょう。」
そう。ラスプーチン・・・
父ニコライ皇帝を操り、戻る事の出来ない所まで追い詰めた張本人。憎んでも憎みきれない感情を持っているアナスタシアであったので、ユスーポフ候が明確な道筋を付けてくれた事に深く感謝した。
そう。。。。
憎い怪僧ラスプーチン。。。。わたくしは絶対に許さない。
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