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 私は前を向く。 もう一度呼吸を整え、手で濡れた目を拭きながら息子に声を掛ける。 「幼稚園に着いたよー。準備してー。」  涙を拭った手には光るものもなければ、車内にジュニアシートだって無い。 ……もしかしたら、雨だって降ってなかったのかもしれない。  今日も今日とて私は現実と妄想の狭間で遊ぶのだ。
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