相沢さんと僕

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 何が何だったんだろう。  この何分か……あるいは何十分かの間に、何かこう物凄い何かに巻き込まれ、そして吐き出された。  そんな感覚だ。  頭はくらくらするし、心臓もバクバクしている。  どうかしているというか、気が狂いそうというか。    とにかく言えるのは、今までメモした事なんて、ほとんど何の役にも立たないって事。  彼女を……、あいざ……ち……千景の魅力は、即ちあの破壊力だ。  あれを描かない事には、彼女をモデルにしたなんて口が裂けても言えない。  そのためには、もっと、もっと彼女に近づかなきゃならない。  つまり、僕がこれからやるべき事はたった一つ。  教室に戻って彼女にこういうんだ。  今日は一緒に帰ろう。  
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