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昼休み。
日の照り付ける中庭に行くと、相沢さんはすでにいて、ベンチに座っていた。
俺の姿を見ると、ベンチの空きスペースをその人差し指でトントンと叩いてニヤッと笑って見せた。
座れって事らしい。
俺はそれに素直に従う。
「ん」
相沢さんがくれたのは、パックのミックスジュースだった。
「まあ、飲みねぇ」
「あ、ありがとう……」
ストローで銀の部分を突き破り、一口飲んだジュースは冷たくて甘かった。
「前から気になってたんだよね。私の事、ちらちら見てたでしょ」
こんな事、液体を飲んでいるときに突然言われたら、むせるに決まってる。
「げほっ、げほっ」
「そんな慌てなくっても。別に怒ってないし。あ、いや、ちょっとは怒ってるかな?」
「ご、ゴメン」
三十六計何とやら。
無駄な抵抗は止めて、僕は素直に謝った。
「何で見てたのか、話してくれたら許す」
「えっ……」
絶句。
「なんで?」
じぃっと見つめられると、余計に話し辛くなるんですけど。
「……言えない理由?」
「えっ?」
「頭の中で、私はエロい目に遭わされてるとか」
「いやいや、そんな」
「じゃあ、私の事、好き……とか?」
「えっ……」
絶句その二。
そりゃそうですよ相沢さん。
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