相沢さんと僕

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 しかも、見つめあっちゃってるし。 「絶句しないでよ……。私まで恥ずかしいじゃん……」  相沢さんは小麦色だからちょっとわかりにくいけど、頬が赤らんでいる……のか?  ペロリ、と小さく舌先が動いて、自身の唇を舐めた。  可愛い……。  この表情は是非とも小説に出さねば。 「ここまで辱められたからには、絶対に何でか教えなさい。出ないと、君に辱められたって教室で言うぞ」 「ひ、卑劣な……」 「卑劣じゃないもん。実際今、恥ずかしい思いしてるし」 「いやそれは……」  自爆では?  そう言おうとした俺の唇に、彼女は人差し指を押し当てた。 「良いから、何で見てたのか教えて」 「……怒らない?」 「今もう怒ってるよ」  そう言って、彼女は頬を膨らませた。  怒っているんだろう。けど可愛い。  多分……、それでもどうにかして誤魔化しきるのが正しい道筋なんだろう。  けど、この時僕の頭に閃いたのは、真逆の感覚だった。  全てを正直に離せば、彼女はどんな顔をするんだろう。遠くからかなり観察したつもりだった。けど、もうすでに僕の手帳にメモしていない彼女の姿をいくつも見せられた。  ドン引き? 激怒? 軽蔑?  何にしても、きっと新しい彼女の姿を見られるに違いない。     
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