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「でもまぁ、ツキノの言う通りかなぁ。誰からやる?全員一纏めでも僕達は構わないよ?どうせ僕達の独壇場だし?」
にっこり笑顔でとんでもない事言い出した!
カイトの言葉に少年達が一気に気を荒立てたのが分かる。
「ツキノは前回優勝してるんだから、こんなのズルだろっ!」
「あぁ?俺だってやりたくて来た訳じゃねぇや、カイトに無理矢理連れて来られただけだし、俺とやるのが嫌だって言うなら、俺は見てるからお前等で勝手にやれ」
「えぇ…ツキノ、さすがにそれは酷くない?」
「お前一人でもこいつ等くらいどうにでもなるだろう?」
「うぅ~ん、そうかもしれないけどさぁ」
少女と見紛うばかりの美形が2人、厳つい少年達に囲まれて威嚇されているにも関わらず、そんな会話を続けていて、俺は『なんでこの人達わざわざ怒らせるような物言いするのかな…』と少し呆れてしまった。
「えぇ、ツキ兄やらないの?」
そんな中、呑気なウィルの一言。空気読め、ウィル坊!
「だって正直面倒くさい…こんなのただの余興だろ」
こっちもこっちで空気読めっ!
少年達は更に殺気を纏ってこちらを睨みつけてくる。ついでに俺も睨まれる。
お願いだから、俺を巻き込まないでっっ!
その場の空気は一瞬即発、俺はその時、あわあわと事の成り行きを見守る事しかできなかった。
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