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第3章 忍び寄る悪魔
悪魔の兵隊は魔王チルリを中心に、ポクパプパラ世界の各地へと派兵して草花を荒らし、妖精達を蹂躙して行った…
悪魔兵の十天王
「獄炎(ゴクエン)のマヤン」は空を主戦場として口から炎を吐いた。
山越えのあるプペパペ国侵攻に伴い魔王チルリより「天王」の称号得て、
妖精の女王「エルペラーナ」を捕らえるべく参戦していた…
「チルリ様…このマヤンにお任せください!!…必ずや、あなた様の胃袋へエルペラーナをお届けいたします!!」
4枚の大きな羽を素早く動かしながら、マヤンはキバをガチガチ鳴らしながら決意を吐露した。
マヤンを先頭に80匹を超える部下達を率いて、
悪魔の兵隊達が上空をゆっくりだが確実にプペパペ国へと迫っていた…
マヤンは急に編隊を外れて急降下すると、地面を這っていた部下の昆虫に襲いかかり捕食を始めた。
「どうも、空を翔ると腹が減るな…」
部下を貪りながら、マヤンは言い訳がましく言った。
上空にいた部下達もマヤンに続いき、こぞって地上にいる昆虫達を貪り始めていた…
「ほどほどにしておけよ!!…兵隊が居なくなってしまうだろうが!!…」
マヤンは部下達に怒鳴りながら、まだ貪り喰べていた…
どうやら、昆虫達…悪魔の兵隊達は強者が戦い、弱者は食料になるようであった…
「進軍が遅れるな…」
マヤンは貪り喰らいながらそう思った。
マヤンは変態する前は、弱者で周りの強者達の餌であった…
妖精達と戦いながらも何度も強者の昆虫達に追い回され、喰われそうになるのをしのいでいた。
一緒に戦った戦友と呼べる仲間も、次々と捕食され絶望の日々を送っていた…
ある日、運悪く魔王チルリの側を横切ってしまい、チルリのハサミで右目を潰されてしまった。
命からがら逃げたが、マヤンの後ろについて来ていた恋人の「バジィ」は
チルリのハサミでズタズタにされ、チルリの胃袋を満たした。
マヤンは悲しみの中…己の無力さを呪い、雄叫びを挙げた瞬間に変態が始まり、
天を舞う巨大な羽と強固な牙、そして…腹に溜まったガスを吐き出すと炎が吹き出した…
「俺は遂に…強者となれた!!」
マヤンは嬉しさのあまり仲間の集まる水辺に舞い降り、皆に自分の姿を自慢気に見せつけた。
すると仲間達は恐怖のあまり逃げ惑い、マヤンは本能のままに
かつての仲間達を喰らいズタズタに引きちぎった…
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