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第2章 「機兵花」ザ・フラワーマティック
昆虫達の戦力は圧倒的で、妖精達は防戦一方で圧されていた…
妖精達は「エレメンタム(聖命力)」と言う特異能力を有していたが、通常の状態では発揮できず
生命の危機にのみ、エレメンタム能力を発揮できた。
いわゆる「火事場のバカ力」のようなもので、その特異能力を使ってしまうと妖精達の命は尽きてしまい、能力の制御はできずにいた…
妖精の女王「エルペラーナ」はエレメンタムの制御を、花の王「ラプレアス」の力を借りて、
花が持つ不思議な能力「生命の集中力」を使い、増幅・拡散する事でエレメンタムの制御に成功した…
妖精の工匠「ドクピ」達は花を分割加工して
胚種と言う将来、種になる部分を擁する子房をエレメンタムを増幅・拡散するエンジンとし、
茎を編み込む事で強靭なフレーム骨格を置いて「花弁(花びら)」を幾重にも重ね装甲として組み立てているうちに
自分達「妖精」を大型化した姿形になっていった。
「これは、なんと言う兵器なのですか?」
ドクピ達の工厰は妖精女王が存在するキノコを積み重ね建造されていた
蛍光色に光る「キノコの神殿」から少し離れた場所に専用の工厰として同じくキノコ類を利用して作られていた。
5等身で自分達を10倍にしたような兵器を前に、専用工厰を訪れていた妖精女王直下の連隊長パイルは、ドクピの一人「プラフト」に質問した。
「結局、こういう姿になってしまったよ…この兵器は「機兵花(きへいか)ザ・フラワーマティック」と言うものだ…」
「乗り込んで戦う兵器ですか?」
「そうだ…乗り込んで戦う兵器だ…」
いままでは「マカダミアナッツの殻」を加工した剣や盾を用いて体を張って戦って来た、パイルにとっては機兵花と言う兵器は異質な存在に感じえていた…
「これから…コイツで戦うのか…」
パイルは不安を隠せず独り言が口をついた。
「安心したまえ連隊長殿!…乗り込めば、君の不安は一掃されるさ!」
プラフトは不安を含んだパイルの独り言を払拭すべく優しく伝えた。
「そうだな…やれるのは、俺達だけだ!」
パイルは決意込めて、今度は独り言ではなくプラフトの顔を見て言った。
「コイツの名前はどうするね?」
美しく黄色い花弁の装甲板で覆われたフラワーマティックを見上げながらプラフトはパイルに尋ねた…
「…ペシュメルガ(死に立ち向かう者)…」
パイルは自分の決意と重ね合わせてそう名付けた…
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