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第4章 雨の日
雨が降り出した…
この世界…ポクパプパラでは雨の日は
「生命の休憩日」であった…
大粒の雨水が、まるで「空爆」のよう轟音を鳴り響かせて襲いかかり世界を潤していた…
魔王チルリでさえも動かずじっと雨が止むのを待っていた。
妖精達にとってもそれは同じ事ではあったが、皆で知恵を働かせて
水路を掘って雨水を流して畑に使ったり、ろ過して飲料水に変えたりしていた。
葉っぱを交互に重ねて雨水の衝撃を防ぎ、神殿や工厰、家屋などへの被害を防いでいた。
「ちょうどいい雨になったな…」
妖精女王エルペラーナの勅命を受けたパイル連隊の面々は「フラワーマティック(ペシュメルガ)」を建造している専用工厰にて
ドクピ達の力を借りて訓練を実施していた。
「全部で20体完成予定だが、このプペパペ国で使用するのは8体だ…」
ドクピの一人「プラフト」はパイルと話していた時よりも事務的に冷たく言った。
パイル連隊長を入れて19名いる連隊のメンバーにとっては寝耳に水だった…
「え?」っと言う表情でパイルはプラフトの顔をじっと見つめた。
「残りの12体は、各国で戦う同胞に届けなければならない…」
「誰が」っと言う表情でパイルはプラフトの顔をじっと見つめた。
「…君達…連隊の兵士の方々にお願いする!!…」
プラフトはパイル連隊にとって、辛い決断を下さなければならないと解りながら話していたので、言葉が硬く…冷たく響いていたのであった…
「エルペラーナ様の意思なのだな…」
パイルはプラフトに確認するように質問した。
「そうだ…このペシュメルガは我々妖精族の希望なのだ…」
確かにプペパペ国を除き…妖精族の国は12ヵ国あった。
「各国に1体づつなのか?…」
パイルは怪訝な表情でプラフトに聞いた。
「1体届けられれば、増産できる!!」
プラフトは熱く答えた。
「我等ドクピも、各12体に乗り込んで同行するからな!!」
プラフトは熱く決意を伝えた。
パイル連隊の面々は言葉無くプラフトの決意を受け止めるしかなかった…
「あの~」
パイル連隊の一人で最年少の隊員「ヨピ」が申し訳なさそうにプラフトへ声をかけた。
「何か?」
プラフトも熱く語った後なので気恥ずかく返事をした。
「僕達19人しかいませんが、残り1体は誰が乗るのですか?」
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