浴室からの伝言

　此処に越してきて三か月目の夜の出来事だった。御風呂に入る為電源を付けようとした、その時だった。

「そう言えばこんなの付いてたな。鳴らした事無いから一度ちゃんと使えるか鳴らしてみるか」

　音が鳴るだけのそれは実家にもあった為、不意に手が伸びボタンを押した。

　壊れていないか心配だったが、押すと少し小さめのブザー音が鳴った。

「よしよし。此処を出る時壊れてるとか言われたら最悪だからな」

　そのまま風呂の電源を入れシャワーを浴びると、身体だけ洗い流し浴室にはお湯は張らなかった。

　しかし、何故か水が流れていくような奇妙な排水音を浴室の下からシャワーの最中聞いた。

「何か詰まってたのかな。まぁいいか、今は問題なさそうだし」

　その日の夜は特に変わった事は無かったが、問題は次の日から始まった。