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当人曰く、この才能は父親譲りだとか。いつだか訊いた話では、親父さんは大東亜戦争、満ソ戦争、中香紛争と、日本が参戦した大抵の戦争には関わっているとか。戦死されたらしいけど。
十分ほど進むと、一つの小屋が見えた。一階のみの小さな小屋だ。床面積は車二台分程度だろう。
茜より出される手信号。ポニーテールが揺れる。
ほかの生徒たちが周囲に散開し、小屋を包囲したが、俺は少し離れたところで待機していた。
数名の生徒が扉を蹴り破って内部に突入。
「右、異常なし!」
「左、異常なし!」
「中央、異常なし!」
「全て異常なし!」
内部には誰もいなかったようで、直ぐに確認完了の合図が出る。
警戒態勢が解け、生徒達が小屋の前に集まった。
小屋から出てきた茜の手には、開封された状況付与書が持たれていた。
どうやらこの小屋を制圧したら状況付与書を開封する手はずだったらしい。(確か作戦会議の時にそんな事を言っていた筈)
一旦周囲を見た渡した茜が状況付与書を読み上げる。
「目標達成したから状況付与だねぇ。読むよ。
状況付与
司令部との通信途絶。
偵察部隊より敵地発見の報告。
座標、イ三一八
規模、歩兵一個小隊。
高度な通信設備及び観測設備を所持しているとの報告あり」
厄介な命令だ。
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