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夜は吸血鬼達が出る時間帯。吸血鬼は大体が、人間に害を与える生き物だ。夜に帰宅する人間達の血を吸って生きていく。そんな奴らから人間を守るのが、俺の役目だ。ハーフだから血を吸う必要も無ければ、血を欲することもない。だから俺には、この仕事が抜擢らしい。俺を見兼ねた、ハーフの人が言っていた。そして今日も、夜の見回りに出かける。
「いやぁぁぁぁ!!」
女性の悲鳴。その悲鳴に駆けつけると、奴らがいた。俺はすぐに、彼らに蹴りを入れた。
「ぐっ!」
奴らはそのまま倒れていった。また雑魚か。そう思いながら、彼女に声をかける。
「お姉さん、夜は吸血鬼達がうじゃうじゃいるから、1人でいるのは危険だよ。明日から気をつけて。」
「えっ?あ…はい…。」
俺は彼女の返事を聞いた直後、すぐにその場を後にした。
「うーん…もう大丈夫かな?次の見回り託すか。」
俺はそのまま帰ろうとした時、ふわっといい香りがした。甘い匂い…。今は吸血鬼だから、血の匂いにしか反応しないはずなんだけど…。まさか…人間の血?そう思っていると、声が聞こえてきた。
「兄ちゃん、いい匂いするねぇ。俺らに血をくれよ。」
まずいっ!奴らが手を出す!急いで声の方に辿ると、奴らとうちの学校の制服を来た生徒1人がいた。
「…えっと……何のことかよく分かりませんが、通してくれませんか?」
彼はそう口を開くが、奴らも言い返す。
「俺らに血をくれたら、通してやらんでもないが?」
俺は彼に被害を与えないうちに、奴らに近づいて仕留めた。
「なっ…!くそっ、離しやがれ!!」
「駄目だ。君達には罰を受けてもらう。」
そう言って、俺は身につけていた鞄の中から注射器を取り出す。それを奴らに刺した。
「ぐっ……!あ"あ"あ"……!!」
奴らは苦しみながら、何も話さなくなった。
「はぁ…最近多いな…。」
そう言いながら使った注射器を元に戻すと、彼が声をかけてきた。
「あの…助けてくれて、ありがとうございます。」
彼の方を振り返る。金髪で目の色が綺麗な青色の外国人みたいに美人な彼が、俺にお礼を言った。そんな彼に、俺は少し惹かれた。
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