出会い

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「いえ、それより大丈夫でしたか?どこか、噛まれたりとかは……」 「あ、平気です。」 彼は少し戸惑いながらも、また尋ねる。 「そういえば…さっき注射したのは何なんですか?」 「注射?あぁ…あれは、吸血鬼の苦手なニンニクを混ぜた、特効薬的なもので…これを刺せば、大抵の吸血鬼は死に至るんです。」 「…そう、なんですね。」 「それより、こんな夜遅くに外にいたら奴らに絡まれるので、あまり夜遅くに外に出ないようにしてください。あなたの血…普通の人間より吸血鬼に狙われやすい匂いをしているので。」 「え?それって、どういう……」 俺は彼が言い終わる前に、その場をあとにした。 次の日、俺は登校中に翔海と一緒になり、そのまま一緒に登校した。翔海とは、趣味も合って、会話を楽しんでいた。 「そういや、夕生。今日、弓道部の見学だから、忘れるなよ!」 「あ、そうだった。」 「やっぱり忘れてた!ったく、もう~!」 翔海に怒られながら、会話をしていると学校に着いた。教室に入り、ホームルームが終わった後、すぐに授業が始まった。 気づけば放課後、俺は6時間目が終わってから机に項垂れていた。 「うへぇ~…疲れたぁ~……。」 高校の授業は、やっぱり難しいし疲れる。こんなんで毎日続くかな~…。そんなことを思っていると、背中に痛みを感じた。 「痛っ!」 「何、へばってんだよ。」 振り返ると、教科書を持った翔海がはぁとため息をついて、呆れていた。 「お、お前…まさか、教科書で叩いた!?」 「ん?おぉ、そうだけど。」 「痛てぇよ!何してくれてんだよ!」 「悪ぃ悪ぃ。」 笑いながら、謝罪がなってない謝罪をする翔海。話しているうちに、担任が教室に来てホームルームをした。そして、俺は翔海と弓道部の見学に行った。 校舎を出て、グラウンド近くにあった弓道場に行くと、既に何人かの見学者がいた。弓道部人気なのかな? 「うわぁ、かっけー!」 「だな。」 弓道場の隅で、翔海と話していると誰かに声をかけられた。 「君達、そんな隅で見てないでこっちに来なよ。」 見ると、金髪で目の色が青色の…昨日の彼がそこにいた。
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