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『花折々』: 或る、ほしの明け方。
ここは花の惑星。
青い花が地面いっぱいに咲いています。
空なんてものはずっと昔になくなって、お隣もそのお隣も、他の惑星が並んでいる様を眺めることができるのです。
空も風もないひだまりで、
私は静かに、しずかに耳を澄まします。
たった一度、聞こえた声をもとめて。
私は宇宙でひとりぼっち。
そらから見放されてしまった、あおのみなしご。
かみさまというものがいるのならば、
私はなんて不仕合せなのだろうと、面をむかって言えるのに。
けれど、ここには何もない。
かみさまさえ、このほしを見放してしまった。
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