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「あっはは! 梓先生、相変わらず大人気だね、みんな泣いてたでしょ?」
梓の様子に菜々は笑いながら近付き、こぼれ落ちた花束を拾い上げながら言った。
「もう大号泣。こっちまでもらい泣きしちゃうくらいよ」
花束を抱えながら梓の隣を歩き、人気のない校舎裏の駐車場へ向かっていく。
「そうそう、卒業生も結構来てくれてね。さっきまであの子もいたのよ、ほら……菜々ちゃん仲良かったでしょう? 田町くん」
田町──。
その名は秋久の名字で、突如湧き上がった懐かしい名前に菜々はハッと顔を上げた。
「秋久……、元気だった?」
「えぇ、元気そうだった。大学でも野球続けてるそうよ」
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