秘密の告白

14/15
57人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
 * 飛ぶように教室を駆け出て、春の陽が降り注ぐ外に出た菜々は部室棟へと走った。 息を切らして古びた部室棟へたどり着くと、石階段の下にある野球部の部室から出てきた秋久を見つけた。 少し髪が伸びているが、その眼差しは以前と何ひとつ変わらない。 菜々は思い切り叫ぶ。 「秋久ぁーーーっ!!」 「…………菜々?」 二人の間に、校庭から砂埃(すなぼこり)の混じる風が吹いた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!