親友

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ふと、暗い道の途中で由香里が足を止めた。 振り返ると、暗闇の中、目を細めながら街灯の下に見える影を確認している。 私もその視線を追ってそちらへ振り返ると、背の高い男の人が立っていることに気付いた。 何が気味悪いって、その人は歩いてもいなければ何をやっているわけでもない。 黙って街灯の下、電信柱に隠れてこちらを見ている。 その異様な姿を見て、由香里は身を竦めた。 由香里が言っていたストーカーの話を思い出し、私は由香里を背中に隠す。 「誰?」 声を掛けると、その人影はゆっくりとこちらに向かってくる。
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