98人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと、暗い道の途中で由香里が足を止めた。
振り返ると、暗闇の中、目を細めながら街灯の下に見える影を確認している。
私もその視線を追ってそちらへ振り返ると、背の高い男の人が立っていることに気付いた。
何が気味悪いって、その人は歩いてもいなければ何をやっているわけでもない。
黙って街灯の下、電信柱に隠れてこちらを見ている。
その異様な姿を見て、由香里は身を竦めた。
由香里が言っていたストーカーの話を思い出し、私は由香里を背中に隠す。
「誰?」
声を掛けると、その人影はゆっくりとこちらに向かってくる。
最初のコメントを投稿しよう!