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それよか、どげんしよう、大事な所が丸見えばい!」
浴室のタオルを取ろうとするが、手がタオルをすり抜けてしまう。
和美 「ああ、ごげんもん、誰にも見せられん!」
アタフタとする和美が、ピタリと動きを止める。
和美 「……ん? 誰かが私をー、呼んでいる。誰だろう」
スーーッと浴室を出る和美。
和美 「お迎え? そんな、まだ死んだばかりなのにー、でも……呼んでるの」
部屋に入ると飲みかけのグラスを見る。
和美 「あ、まだあんなに残ってるー。いや、もうお酒は。それより窓の外に何かが」
カーテンと窓を開けようとするが、これも手がすり抜ける。
和美 「もう! 仕方ないなぁ」
目を閉じて、ゆっくりと顔をカーテンに近づける和美、そのまま窓を突き抜ける。
〇同 窓の外 (深夜)
目を開けると目の前に直径1メートルほどの光の球が浮いている。
驚き、光の球に見入る。
和美 「よ、呼んでたのはー、あなた? あぁ……、柔らかくて暖かい光」
無意識に光の球へ手を伸ばす。
シュン!
和美 「キャ!」
一瞬に光へと吸い込まれる。
〇異空間(光のトンネル)
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