あわくあわく ほしのふる

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- 2 - シェリーは時計を預け、店を出て行った。 彼女がたどたどしかったのは「落とした」という嘘を隠すためだったのかもしれない。 グリスは彼女にどうして時計を落としたのかは一切聞かなかった。 「で、お前たち。」 子供たちには聞きたいことがたくさんあったが、まず叱るべきは仕事の邪魔をしたことだろう。 「お客さんが来てるときは静かにしてなさい!」 「えへぇ、ごめんなさぁい」 悪びれもせず、レディアは柔和に笑って言った。 「でも、本当にこれ危ないよ。」 ミメルがテーブルに置かれた時計をじっと見つめる。 「何が危ないんだ?」 振り返ったミメルと目が合う。 「人には感情があるだろ。感情って振り子のようなもので『驚く』と左右に振れるんだ、たとえばこんな風にさ。」 ミメルはグリスの手の甲を強い力で抓る。 「いって!何するんだよ!」 「今、グリスは僕に抓られて『痛い』という感覚に驚いただろ。それで、怒りに似た感情を僕に抱いたはずだよ。」 抓られた部分は赤くなっている。 「…冷静に考えてみて。これから先、グリスにとってもっとも大切になる部分なんだ。」 いつにない真剣な表情でイルナがグリスに言った。     
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