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ひと目を忍んでいるはずの来生家が、どうやってジムまで来るのかと思ったら、
「……派手だな」
正面から堂々と車で乗り付けた。
ベンツ、レクサス、ベントレー、BMW.高級車が徒党を組んでジムの前に横付けする。
降りてきたのは、車に負けない外見の男たちだ。
金髪、茶髪、赤青と様々な髪色にスーツ姿。
豪華なアクセサリー。
その中心にいるのは、いわずもがな夏樹で、
「よお、春」
しばらく会っていないはずなのに、いつもと変わらない調子で声をかけてくる。
「こんちはハルさん」
「相変わらずカッコいいですね。モテるでしょ」
「なに言ってんだよ」
夏樹と共に来てくれたのは夏樹の友人たちで、春一とも面識がある。
ホストは耳敏いから報道のことは当然知っているはずなのに、彼らは春一を見つけると、次々と挨拶してくれる。
そして、
「ハル!」
「春兄!」
彼らに囲まれて、男たちに紛れるようにしてやって来たのは、
「秋哉、冬依」
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