桃パフェにマンゴープリン

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幸い、春一が我に返って笑い出す前に、ふたりはスポーツウェアに着替えをすませた。 被っていたカツラも外して、いつもの普通の高校生と中学生の姿に戻って、 「あれって、体のどこを鍛える機械なんだ? ガッコーじゃ見たことねーな」 「チェストプレスマシンだよ。ボクこれ、家でも欲しかったんだー」 好奇心丸出しでマシンにまとわりついている。 絶対に買えないから、是非ここで満喫していってもらいたい。 そしてトレーナーたちも、丁寧に、初心者の秋哉や冬依の面倒をみてくれた。 春一の報道を知っているはずなのに、白い目で見てくることもなく、弟たちに親切に接してくれる。 ありがたい。 それから鈴音も、 「雨山さんはフィットネスが希望とのことですね。本日は私がマンツーマンで指導させていただきます。マシンに慣れていないと怪我の原因にもなりますから」 トレーナーが専属で張り付いてくれるらしい。 春一は夏樹を振り返り、 「何かしたのか?」 春一が入会した当初から、こんなに懇切丁寧だっただろうか? サボリ気味の最近だが、その間に経営者が変わったのではと思えるぐらい手厚い。 夏樹は、 「そりゃあ、あいつらのお陰だよ」 今はもうそれぞれに、トレーニングマシンに挑んでいるホスト仲間たちを振り返る。 そうだった。 ここはビジターでは入れない完全会員制のジムだ。 20人はいるだろう彼ら全員が、春一を弟たちと再会させるためだけに、このジムに会員登録してくれたのだとしたら、 「……みんなにもすまなかったな」 「何がだよ」 夏樹はシレッとしているが、夏樹が彼らに頼んでくれたことは想像に難くない。
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