【婚礼衣装】

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ふと、真夜中に目を覚ましました。 もう朝かと思うほど、すっきりした目覚めでした。 寝坊をしてしまったのかと思いましたが、辺りは真っ暗です、時計を見ると夜中の2時を少し回ったところでした。 さすがに起きるには早い、もう少し寝ようと寝返りを打ったのですが、眠気は来ません。 とりあえず気分転換にトイレでも行こうと、体を起こしました。 途端に、ぞくりとしました。 なんでしょう……私に霊感はありませんが、なにかがいる、と感じました。 このような場合、どうしたよいのでしょう? 無視ですか? 確認に行きますか? 少し悩んだ上で、確認を選択いたしました。 部屋を見回しましたが、特になにかがいる様子ではありません。 トイレには行こうと思ったので、向かいました。 ドアを開けるのに勇気を要しましたが……やはりなにもいませんでした。 用を足している間も、終わってからも、すぐ近くになにかが居るような事は感じはしません。 私の勘違いでしょうか? いえ。でも違和感があるのです。 意を決して、私は階段を降りました。 今居るのは二階の住居ですが、一階は店舗となっております。 随分昔に廃業された理容店が原型です。 ご高齢のご夫婦がお住まいだったそうですが、揃って老人ホームに移られ、この店舗兼住居が丸々空くと言うので、丸ごとお借りしたのです、タイミングがよかったです。 少し軋む木の階段を降りて、店舗へ繋がるドアから中を覗き込みました。 ちょうど顔の高さに丸い窓があるのです。 そこに答えがありました。 作業台の脇に、俯いて立っている女性がいました。 暗い店内なのに、人影ではありません、白い煙のような感じでした。 それでも背格好から女性と判りました。
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