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ーバァンッ!!
「ひょえっ!?」
いきなり教室の扉が開き、俺は思わず変な声を出した。
幸い、教室に残っているのは俺だけだったのでよしとする。
教室の扉を開けた人物・・・千歳は、無言で俺の元へとやってきた。
「ちょっと、千歳さーん?おっきい音のせいで変なk・・・うわぷっ!!」
ちょ、ちょ、ちょ!?
いきなり何!?
頭の後ろには千歳の手。
そして目の前には見慣れたネクタイ。
・・・おや?
もしかしてこれは、ハグってやつです?
「ち、千歳!?」
「・・・修学旅行、行かないで。」
「いやいやいや。学校行事の中でかなり大切なやつだよね!?行かなきゃダメでしょ!?」
「ユキが傷付くくらいなら、行かなくていい。」
その言葉に、俺は顔を歪めた。
くっそ。
何でコイツはこうも鋭いのか。
たしかにあの場所はあまりいい思い出がない。
だけど・・・。
「大事な友達と一緒に行くんだ。大丈夫だよ。」
「ユキ・・・。」
「それに、アイツと会う可能性の方が少ないだろうし!!」
「それ、フラg「アーアーキコーエナーイナー!!」・・・はぁ。」
フラグ?
ナニソレオイシイノ?
_______________・・・
・黒羽 side・
ーPrrrr
コール音が3回鳴った後、『はい。』と若干不機嫌そうな声がスマホ越しに聞こえる。
「ははっ。相変わらず、きっかり3コールで出るんやなぁ。」
『用がないんなら切りますけど?』
「そーんなこっわい声出すなや。ちゃあんとお前に用あるわ。・・・なぁ、“夏樹”。」
『何です?』
「計画通りに行動せぇよ?あの幼馴染君に気付かれんよぉにな?」
『・・・仰せのままに、黒羽様。』
嫌そうな声で様付けする夏樹に、思わず笑みが漏れる。
雪兎の傍におる時みたいに冷静にならんと、すーぐバレるで?
「ほな、始めようか。」
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