第10章 修学旅行と俺の○○

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「ついにだな。」 「ついにだね。」 「「やって来ました、食いだおれっ!!」」 「いや違うから。大阪だからな!?」 「分かってるってー。」 「うんうん。雪兎ってば冗談通じなーい。」 ぶーぶー文句を言う双子の頬を掴んで黙らせようかと思ったが、ここは学園内じゃない。 人の目があるし、諦m・・・。 「雪兎って変なとこで頑固だから、冗談なんか通じないんだよ。」 「そうそう。まるでお祖父ちゃんみたーい!!」 「お前らなぁっ!!」 ーベシンッ!! 「「ったぁ・・・。」」 「ちょっとは反省しろ。」 頬を掴んで黙らせなかった俺を褒めて欲しい。 ・・・さて。 お分かりいただけたというか完全に分かっておられるでしょうが。 俺は今、大阪に来ています。 昨日まで散々千歳に「やっぱり行かない方が・・・。」と言われ続けたけど、無理矢理押し切って無事に修学旅行に行けました。 いやぁ、よかったよかった。 3年間で最も大事な行事である修学旅行に行けなかったら、俺発狂する自信あるわ。 だって修学旅行だよ? カップルが出来やすいイベントトップ3に入る(雪兎調べ)イベントだよ? 初々しいカップルのイチャイチャを見なきゃそんでしょ!! んで、夜は枕投げした後に恋バナ。 恋バナは必須だろ主に萌とか萌とか。 それに・・・俺はいい加減進まなくちゃいけない。 あの“過去”に囚われず、未来を向けるように。 そのためには、この地に来る必要があった。 「・・・自由行動の時に、“あそこ”に行こう。(ボソッ」 俺は知らない。 この言葉を聞いていた人間がいたことを・・・。
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