06.そして、誰もいなくなった

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それは元凶の小枝さんが去ったからだ、とは言えないメイは「苛めてるっていう自覚はあったんですね」と苦笑いを浮かべながら何とも言えない息を吐く。 「当たり前でしょう。何かこう、あんたって何でも言って良いんだよっていう顔してんのよね」 「あっ、それ分かります」 着ぐるみ教頭とバイバイした舞衣が瑠璃の足元に絡み付く。そんな彼女を抱き上げながら瑠璃が賛同の声を上げる。 「何て言ったらいいのかしら? クッション?」 「それを言うなら緩衝材(かんしょうざい)じゃない?」 「そうそう、灯里さん、それ!」 「緩衝材って……?」 メイがキョトンと灯里を見る。 「本当、あんたってお馬鹿!」 灯里はそう言いながら携帯を取り出すと手早く文字を打ち、「ほら」と画面を見せる。 そこに『緩衝材とは』の文字があった。 「二つの物の間に起こる衝突や衝撃をやわらげる物……ああ、宅配で送られてくるときに間に敷いてあるあのエアーなビニール袋みたいなのかぁ」 「あんたの例えって……今どきの子って感じね」 うんうんと横で瑠璃も頷く。 「まぁ、とにかく、あんたってそういう子ってこと」 何となく分かったような分からないような、複雑な顔で首を傾げながらメイは、要するに鬼から守るクッション的な存在っていう意味だな、と自己解釈をしてその場を収める。
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