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 やはり、今年は暑すぎる。  毎年言っている気がするが、それにしてもおかしい気象である。  梅雨前に30度を越えたり、梅雨のくせにあまり雨が降らなかったりと異常気象である。大学内でも、皆がみんなそう言っているのだから、やはりそうなのだろう。  こんな暑い中を徒然なるままに出掛けるようなやつは、狂人の烙印を捺されて然るべしと言うものである。  ふと、気になり辺りをぐるっと見回す。  どうやら、そんな愚か者は僕だけらしい。いや、言われずとも分かっている。  今日は講義が入っていない休日。聞こえるのは運動系サークルの怒鳴り声くらい。そんな中サークル未所属の僕はこの場において、とても異様である。    だが、僕にだって目的がある。  彼女に会うためだ。  果たせるかどうか分からない。彼女にはこの場所ですることなんかなければ僕との約束なんかも、もちろんない。  それでも、僕は彼女に会いに来た。  唯一、彼女がいるかもしれない場所。    図書館棟地下1階特殊事象研究室。  流浪の魔法使いである彼女が、ただ1つ持っている固定の領域。    僕は図書館棟に入り、職員の目を盗みエレヴェーターに静かに乗り地下へと潜る。     
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