第二話 梅の花四つの痣

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 呪いが真実にせよ、痣を自分の身体に持たなければ何ら関係ない。  正兵衛は杞憂を払うように努めるが、肝心の零弦は一緒に笑わおうとはしない。 「ならば正兵衛よ」  零弦は綿の着物から、右肩だけをぐいっと出す。筋肉質の肩が姿を現した。 「これを……しかと見よ」  零弦の右肩を見て、次の瞬間、正兵衛は色を失った。  痣が。  丸い痣だ。  中には小さな梅の花が四つ、菱形に。  書物に記された『嘉吉の鍔』とそっくりな模様の痣が、一つ浮かび上がっていた。
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