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「行ってくる」
「気をつけろよ」
ワモンの声が背中越しに伝わってくる。
刹那、強烈なデジャヴが俺を襲った。
「なあ、ワモン。前にもこんな会話をしたことがなかったか? いや、何千何万回も繰り返しているような気が……」
振り返り、ワモンに疑問を投げかける。
「そうか? いつもの会話だろ?」
だが、ワモンの返答は素っ気ないものだった。
そう言われると、そういうものかもしれない。
なにげないやりとり。会話のたかが一つや二つで気を紛らわされていては、生きていけない。
俺はヤマト。闇に生きる者。そしてハンターだ。
夜が支配した繁華街にネオンがきらめく。奇声や嬌声が飛び交う中、俺は忍び足でお宝のありそうな場所を探す。
路地裏に進むと、お宝の入っていそうな袋が乱雑に積まれているのを発見した。この中からお目当てのブツを見つけるのは骨が折れそうだ。それにモタモタしていては同業者がくる恐れがある。
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