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頭の堅いお偉いさん達と、冷たい視線を浴びせる同僚達を尻目に、何とか社長を説得し、製品化まで漕ぎ着けた。
後は置いてくれる店を確保するだけだ。
クーラーボックスに商品を入れ、アポを取ってある店に行く。
「柏木さん、ご無沙汰して申し訳ありません。
早速ですが、この商品なんですが。」
「うん、元気そうで良かった。
大場ちゃんが辞めちゃったから、次の新商品が出なくって困っていたんだよね。
君の奨めるチョコレートはどれも良いもので、お客さん受けも良いからね。
どれ、この商品かい?見た目は合格だね。
味は、、、、、。
ああ、良い味と香りだね。
口融けも素晴らしい。
これ、何処の製品だい?
クリスマス向けに仕入れたいな。
ああ、とりあえず、うちの専売にしてもらえるかな?」
気に入ってもらえたようだった。
繊細な商品なので、大量生産が難しく、一店舗だけの専売にしてもらった方が都合が良かった。
「有り難うございます。
では、専売でお願いします。」
これが凶と出るが、吉と出るか。
いつもゾクゾクする瞬間だった。
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