拒食症の私と水溜りと

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 食べ物が栄養に変わる前に。  その行動を続けている内に、私の体は見る見るうちに痩せていき、今ではこの有様だ。  現在は、食べ物を見るだけで、吐き気と憂鬱な気分に苛まれるようになった。  私は、冷蔵庫の中から、玉子粥のレトルトパックを取り出す。本来なら、食品を触るのも嫌だった。しかし、薬を飲むためだ。我慢した。それに、朝から、何も胃に入れていなかった。もしかしたら、今日はいけるかもしれない  私は淡い期待を持つ。  玉子粥の中身を陶器の容器に移し、レンジで温める。そして、スプーンでそれを掬って、口に入れた。  お粥のとろみと甘みが口に広がる。美味しい。そう、拒食症になっても、食べ物は美味しく感じはするのだ。  私はお粥を飲み込んだ。お粥は喉を通り、食道を下りてから、胃の中へと入ったことがわかる。  胃に入ったお粥は、これから私の栄養になる。  そう思うと同時に、吐き気が込み上げてきた。私は、台所に飛び付き、嘔吐する。そして、指を喉の奥に入れ、さらに胃の中のものを全て吐き出す。  一通り吐き終えてから、私は息をつく。吐寫物の大半は胃液だった。一口分のお粥より、吐いた量の方が多い。  食べる前よりも、さらに今は体の容量が減ったことになる。     
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