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やがて、痩せてきた。大学の友人達も、目を見張り、褒めてくれた。
私は誇らしかった。
だが、次第に、過食を繰り返すようになった。それまでの食事制限の反動なのかもしれない。
食べたら栄養になってしまう。だから、そうなる前に吐けば問題がない。
私は過食と嘔吐を繰り返すようになった。やがて、私は尋常ではないほど、やせ細っていった。周りの者が皆、それについて質問をするほどだった。
それがしばらく続き、ついには貧血でよく倒れるようになった。学業もままならなくなり、病気による休学届けを提出し、大学を休学した。
始めは、心配して訪ねてきていた友人達も、今では音沙汰がなかった。
そして、今に至る。
私は、目を閉じた。動く気力がない。寝てしまうのが一番だった。
眠りに陥る瞬間、かつてのふくよかだった私の姿が、瞼の裏に現れた。
翌朝、空は晴れ渡っていた。
梅雨に入り、連日雨続きだったため、久しぶりの快晴である。
私は、のっそりとベッドから降り、カーテンを開けた。眩い朝日が、痩せた体を包み込む。
私の部屋は、三階にある。眺めが良いとは決して言えなかったが、それでも朝日に照らされた住宅街は、綺麗だと思えた。
今日は、久しぶりに外出してみよう。
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