1人が本棚に入れています
本棚に追加
甘利糸子(あまりいとこ)です。
あだ名は苗字と名前の頭をとって、アマイ、とクラスメイトには浸透しています。
そして目の前で難しい顔をしているのは辛嶋郁也(からしまいくや)君です。
あたしと同じように苗字と名前の頭をとって、カライ君、とクラスメイトには浸透しています。
「──あ、あの……」
「……あ゛?」
難しい顏が険しい顏に変わったカライ君は、少しばかり、いえ、かなり、ヤンキー色が強い男子です。
毛先だけ赤い髪の毛は似合っているのですが。
一方、あたしは、もふん、とした肩につかないくらいの髪型で、ヤンキー色とは無縁の普通な女子です。
取り柄と言えば、勉強が出来る程度です。
「……何、アマイさん」
うぐ。
言いたいのだけれどその怖い顔のせいで言えなくなっているのに気づいていただきたい。
最初のコメントを投稿しよう!