1人が本棚に入れています
本棚に追加
と言ってもカライ君はそんな事気にしません。
今は放課後、教室の一番前の席の隣同士の私達は、机をくっつけ合いっこしています。
何をしているかというと、勉強、です。
「あ、あの、ですね──」
「──さっさと言ってくんね? あとここわかんねぇ」
カライ君のペースは変わらず、あたしは、ここがこうでこうなります、と説明します。
「わかった。で?」
また、ぎろり、と見られてしまいました。
勉強の説明はすらすら言えるのに、あたしは自分の事になるとどもってしまいます。
カライ君はヤンキー色が強い男子です。
ですが学校をサボった事も暴力沙汰も起こした事はありません。
ただ、少し見た目と喋り方が強くて、勘違いをされてしまう男子なのです。
最初のコメントを投稿しよう!