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自分が地面に叩きつけられた衝撃が蘇る。
屋上から飛び降りた時、不思議と感情はなかった。
そこにあったのは、頭上に広がる雨雲のような黒い絶望感だけ。
死んで呪ってやる。
それは、日々のいじめで考えていたこと。
けれど実際は、そんなこと、少しも浮かんでこなくて………。
降りだした雨が、涙の代わりに頬を伝う。
楽になりたい。
逃げ出したい。
冷たい雨に打たれていたら、そんな気分に包まれて………。
ぼんやり立ち上がる。
ぼんやり前へ進み出る。
叫び声一つも上げることなく、僕は真っ逆様に降下した。
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