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「さっきから、ついたり消えたりしてるんやけど、壊れてるんかな?」
私は席を立ち、そのデンモクを手に取りました。
なにやらメニュー画面が開いていました。私はメニュー画面を閉じ、またデンモクを元に戻しました。
その後、少し歌う気分になれず、後輩ちゃんとたわいのない話をしていましたが、またピコピコ音が聞こえました。
先ほどとは違い、はっきりとした音があのデンモクから聞こえ、それとなく後輩ちゃんとデンモクに視線が写ります。
また私はデンモクを確認すると、今度はメニュー画面から曲選択に変わっていました。
あのピコピコ音はデンモクを操作するときの音だと気付きました。私はデンモクを机の上に置きました。
「なんか気持ち悪いな」
「ねぇ…。触ってもないのに」
次の瞬間、目の前でデンモクの電源が入り、ゆっくりとメニュー画面から曲選択の画面に変わり、そして一文字ずつ入力されていきます。
その曲はどうやら歌謡曲のようで、私たちは世代が違い、その曲をよく知りません。あまりの怖さに荷物を持ち、部屋を勢いよく出ました。
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