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「おはようっ! 利伽さんっ!」
「おはよう。神流ちゃん」
御山の麓で、俺達と利伽達はいつも通り合流し、美少女二人がいつも通りに挨拶を交わす。
そんな光景を毎朝見れるんや。
はっきりゆーて、これほど人から羨まれる……いや、恨まれるポジションも無いやろ。
「……おはよう……ございます……。お兄さん……」
「おっ……おう……」
そんな華やいだ雰囲気とは別に、俺は俺で毎朝定例の挨拶を交わした。
相手は八代真夏……。利伽の弟や。
声を聞いた通り、利伽とは正反対に引っ込み思案で無愛想。はっきりゆーて陰気な奴っちゃ。
それから、俺の事をお兄さん……なんて呼ぶな。
……まぁ、長い付き合いやし、そこはもうツッこまんけどな。
「お兄ちゃんっ! 真夏―っ! 早よ行くで―っ!」
いつの間にか先に進んでた利伽達が、立ち止まってこっちを振り返ってる。
「お―っ!」
俺はそんな元気よく愛らしい神流に、出来るだけ元気よく声を返したんや。
何べんもゆーけど、俺はシスコンやないからな。
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