長閑に日々は移ろい行く

4/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「おはようっ! 利伽さんっ!」   「おはよう。神流ちゃん」    御山の麓で、俺達と利伽達はいつも通り合流し、美少女二人がいつも通りに挨拶を交わす。  そんな光景を毎朝見れるんや。  はっきりゆーて、これほど人から羨まれる……いや、恨まれるポジションも無いやろ。   「……おはよう……ございます……。お兄さん……」   「おっ……おう……」    そんな華やいだ雰囲気とは別に、俺は俺で毎朝定例の挨拶を交わした。  相手は八代真夏(まなつ)……。利伽の弟や。  声を聞いた通り、利伽とは正反対に引っ込み思案で無愛想。はっきりゆーて陰気な奴っちゃ。  それから、俺の事をお兄さん……なんて呼ぶな。  ……まぁ、長い付き合いやし、そこはもうツッこまんけどな。   「お兄ちゃんっ! 真夏―っ! 早よ行くで―っ!」    いつの間にか先に進んでた利伽達が、立ち止まってこっちを振り返ってる。   「お―っ!」    俺はそんな元気よく愛らしい神流に、出来るだけ元気よく声を返したんや。    何べんもゆーけど、俺はシスコンやないからな。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!