初めての……お使い?

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「ほんま―――……アホな孫でゴメンやで―――……。利伽ちゃん―――代わりに答えたって―――」    ばあちゃんが、サクッと俺をディスって利伽に回答権を移した。  うん、聞くまでもなく、俺の回答は間違っとってんな。   「えーっと……八代と不知火の一族は、他の一族には出来へん『余所の地脈に接続できる』力があるから、それを活用して困ってる封印師の人達を助ける……かなー?」    ……あぁ……ああ、ああ……うんうん。  知ってる。知ってるわ。  なんか聞いたことあるわ……それ。    俺が漸く気付いたって察したばあちゃんは、またまたわざとらし―――くため息をついた。   「ほんま―――ありがとうな―――利伽ちゃん―――。このアホはこれからも抜けてるやろ―けど―――仲良ーしたってな―――」    見事正解を言い当てた利伽には褒め言葉。  んで、俺にはチクチクと嫌味をゆーて、ばあちゃんは利伽に微笑みかけた。   「はい! 頑張ります!」    正解して嬉しいんか、ばあちゃんに誉めらて照れてるんか、顔を赤くした利伽は興奮気味に答えた。    しかし、俺への口撃はこれだけに留まらん。   「全く……。同じ環境で育ったニョに、何でこうも違うんかニャー?」   「……元々の……素質の問題かと……思われます……。後……努力……」    後ろに控えてるビャクと蓬から、まさかの追撃を食らった。  なんやこれ……ここって、針のムシロの中心地かいな……。   「兎に角やな―――その能力を活かして―――古くからウチ等一族は余所の霊穴に赴いては―――色んな問題を解決してきたんや―。その殆どは―――トラブル絡み(・・・・・・)やけどな―――」    トラブルっちゅーたら、化身絡みが一番手やろうな。  封印師の封印する霊穴から、僅かに漏れる地脈の霊気に引かれて、あちこちから化身が寄ってくる。  厄介な案件は、出ばった俺等が解決する。  んで、そこの封印師から報酬なり何なりを得るっちゅー寸法かな?  
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